錦鯉の専門知識講座第二回目は、「キワ、サシ」についてです。

早速ですが、皆さんこの2匹の鯉、どちらが美しいと感じられるでしょうか?

①キワの様子
②キワの様子

③サシの様子
④サシの様子

キワとサシの違いを見抜けたでしょうか?

キワが美しい鯉は①、サシが美しい鯉は④です。

キワについて

最初の2枚の写真を見てみましょう。

緋盤の見た目に違いがあることが分かると思います。

①は②よりも緋盤と白地の境界線がくっきりとしていることが分かるでしょうか?

「キワ」は緋盤と白地の尾側の境界線のことで、綺麗なキワを持つ鯉ほど魅力の高い鯉として評価されます。

逆にぼんやりした境界線やガタガタの境界線は評価を下げます。

サシについて

次の2枚の写真を見てみましょう。

③よりも④の方が綺麗に白地が緋盤にかかっていることが分かると思います。

「サシ」は緋盤と白地の頭側の境界線のことです。

錦鯉の鱗は頭側の鱗が上、その後ろ(尾側)の鱗が下に差し込むように生えます。

「サシ」は白地の鱗の下に緋盤の鱗が差し込まれた部分であり、2色が重なる部分です。

この色が綺麗に均等に配置されている鯉は魅力の高い鯉として評価されます。

逆に、成長するにつれて「サシ」がいびつに増えてしまったり色にムラができたりしてしまうと評価が下がります。

③の鯉のような「サシ」を「一枚サシ」といいます。

均一性があり、安心感のある「紅」で最近では「一枚サシ」は深すぎると言う人もいますが、ここまで均一性のあるサシは珍しく、価値が高いと思います。

「半サシ」が一番いいですが、「立て鯉」を作るにあたっては、血統が最も大事で「サシ」が少し荒くても良い生産者にの良質な親鯉から作られた鯉であれば、大きくなるにつれて良くなってくることも多い印象です。

「半サシ」:「サシ」を作る鱗の被りが半分の「サシ」のこと

逆に④の鯉のサシはムラがあり、深すぎるので白地が汚く赤色になってしまっています。

ここまで悪いと痕が残ってしまいます。

「キワ」や「サシ」は成長するにつれて変化します。

これを見極めて将来の姿を予測することも熟練の錦鯉業者の腕の見せ所です。