錦鯉ビギナーの方に向けた錦鯉の専門知識講座をブログにしようと思います。
第一回は「立て鯉」についてです。
錦鯉は一度に数十万という莫大な数の卵を産卵します。
しかし、全てが良い鯉になるとは限りません。
孵化後、一次選別、二次選別と選別を重ね、選ばれた鯉の中からさらにその一部がようやく品評会で勝つことのできる鯉となります。
将来より大きく、美しくなるであろう鯉は春から秋にかけて野池に入れられます。
これによって錦鯉はより大きく、より美しい姿に成長します。
このような将来性を見込んで野池に入れることを鯉を「立てる」と言い、そのような鯉を「立て鯉」と言います。
これを聞いた方は「野池に入れた鯉は全て良くなるのか」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
野池に入れても資質のない鯉は思ったように大きくならず、色も悪くなることがあります。
どの鯉を「立て鯉」にするかは、養鯉場の腕の見せ所であり、目利きの力です。
錦鯉業者はこれまでの経験から1匹1匹の資質を見極め、「立て鯉」を選ぶのです。
「立て鯉」は大きくなる鯉だけでなく、時には中型のサイズで仕上げる鯉も存在します。
どの程度大きく育てる方はその鯉の資質によるもので、85cmで最も美しくなる鯉もいれば30cmが美しさのピークとなる鯉もいます。
1回の産卵で数十万と生まれた子供たちのうち、「立て鯉」になるのは0.1%にも満たないのです。
美しい錦鯉が自然のアートと呼ばれる所以はこの希少性によるのです。